こんなものを読んでみた。

「遥かなる未踏峰」上下 ジェフリー・アーチャー 新潮文庫
「白夜の大岩壁に挑む クライマー山野井夫婦」 NHK取材班 新潮文庫
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同じ山岳を扱ったものでも「遙かなる〜」は小説、「白夜の〜」はドキュメンタリー。

まず「遥かなる〜」の作者はあのジェフリー・アーチャー。
それだけでエンターテイメントとして期待してしまいます。主人公は「そこに山があるから」で有名なジョージ・マロリー。彼の生涯の幼少期からエベレストで消息を絶つまでを描いています。
1999年、実際に彼の遺体が発見されたところから物語は始まります。この時、彼の所持品であった最愛の妻ルースの写真が見つからなかったことから、アーチャーの想像力が膨らんでいきます。魅力あるマロリーの人生を読み進むうちに、ああ、もうすぐエベレストで死んでしまうのだ、と悲しくなって来てしまいます。実際にマロリーがエベレストに登頂出来たかどうかは今も議論が分かれていますが、アーチャーは小説としてこの問題に決着を付けています。
余談ですが、この時やはり見つからなかったコダックのカメラから今年公開される映画の原作「神々の山嶺」の物語は始まります。マロリーの謎は多くの作家のイマジネーションを刺激するようです。

「白夜の〜」は山野井泰史、妙子夫婦のグリーンランド未踏峰クライミングのドキュメンタリー。
山野井さんに関する本は自身の「垂直の記憶」、「アルピニズムと死」、沢木耕太郎の「凍」と読んで来ましたが、これはNHKの取材班がクライミングに同行して記録した内容で、取材や記憶では伝わらない臨場感があります。「垂直〜」や「凍」のギャチュンカンで凍傷により指を失った時の凄まじい描写は今でも記憶にありますが、生還を果たした後の夫婦が再びクライミングに取り組んでいく姿はやっぱりすごい。山というものにこうまでも純粋に向き合っていける才能がうらやましい限りです。
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by run-lenotre | 2016-02-14 11:12 | グッズ | Comments(0)