FunTrails100k&50K

昨年の不幸な事故により存続が危ぶまれたFunTrails100k&50K。

事故を新聞で知ったという秩父市長の怒りを買って(?)事故の四日後に脊髄反射で後援打ち切り、今後は大会に関わらないと記者会見で宣言までされてしまいましたが、主催者の努力と埼玉県山岳連盟、埼玉県や他の市区町村、観光協会さんたちの協力もあり、2018年無事開催されました。


今年の開催にあたり大きく変更された事が三つ。

当日受付がなくなり前日受付のみとなった事。
事故のあった箇所と武甲山がコースから変更になった事。
100kの出場資格に2年以内の100キロ以上完走1回か70キロ以上2回完走と夜間のトレラン経験が必要となった事。

この参加資格のため今年の出場を見送った人もかなりいたのではないかと思います。

さて、大会レポート。

前日受付。
エントリー時、既に秩父のビジネスホテル等は予約で満杯。
・・・といってもそこは埼玉。
大部屋で気を遣うのも苦手なので、日帰りで受付に行くことにしました。

仕事を午前中に片付けてクルマで秩父まで。都心からでも秩父までは1時間45分程。
お昼に出たら2時前には着いてしまいました。受付を済ませ、ゼッケンをもらうと即帰宅。
早めの晩ご飯を食べて、8時前には就寝。

12時過ぎに起きてシャワーを浴び、朝ご飯を食べて1時半頃出発。SAでトイレなどを済ませてコンビニで翌日食べる用の低糖質ドーナツと飲みものなどを買って会場入り。

特設駐車場からスタート会場まではシャトルバスで10分ほど。
シャトルバスは1台で往復なので多少待たされますが、歩くよりは全然いいです。冷え込まなかったのもよかった。

会場では奥宮さんのブリーフィングの後、昨年の事故に遭われた方のために黙祷。
今年の参加者と大会の無事も祈ります。

招待選手の紹介の後、あっというまにスタート時間に。

今年から変更されたコースではトレイル入口や岩場で何度か「渋滞」が起きました。
しかし、制限時間に余裕のあるこの大会、ちょっとやそっとの渋滞ではみんなカリカリしません。
運営者やボランティアの皆さんには負担ですが、制限時間に余裕があることはランナーにも余裕を与えてくれます。
今回渋滞の度にジェルなどを補給していきました。

少しトレイルを走ったかな、というくらいで9キロの第一エイド到着。すでにおにぎりが出ています。
ここから次のエイドまでは14キロで相当高低差があることからここで充分補給をしておきます。
今回水分は500ccのソフトフラスコを3本。2本はエイドごとに満タンにして残りの1本は区間の長いエリア前で補充して予備としました。

高低図のとおり第一エイドと第二エイドの14キロはかなり登らされるキツいパートでした。
登っても登っても終わらない。ほとんどの参加者がここで足を消耗します。
前回までの武甲山を通るコースは武甲山さえ登れば後はそれ程でもなかった気がしますが、今年のコースは登って降りての落差が激しい気がします。

ヘロヘロで第二エイド。2本のフラスコはほとんど無くなっていました。予備には手をつけていませんでしたが、精神的に持っていてよかった。

第三エイドまでは下り基調。大分「足」使ってます。

第三エイドから一旦住宅街に入り、今度は子の権現までの登り。
名刹子の権現の境内を抜けてしばらく行くと第四エイド。

この大会のいいところはゼッケン下部にコースの高低表が逆さに印刷されていること。ゼッケンをペラッとこちらに向けると次のエイドまでが何キロで高低差がどれくらいあるか一目でわかります。

ここから第五エイドの東吾野までは一見下り基調ですが実はアップダウンのキツいパート。

子の権現エイドで充分補給したつもりでしたが、40キロ付近で突然頭がクラクラして力が入らない事に。
・・・もしかしてハンガーノック?
いいペースでしたが、トレイル脇の切り株に座ってリュックから柿ピー、スニッカーズ等を取り出してモグモグ。
袋入りのスニッカーズは一個が小さいですが、100キロカロリー近くあってジェルよりいいかも。普段は絶対に食べない禁断の行動食です。柿ピーはアドベンチャーレースでも有名な行動食。

5分ほど休憩したら復活してきたので出発することに。途中で段々暗くなってきました。

5Aは天覚山山頂を一旦エイドのために降りてまた登り返すレイアウト。・・・ちょっとゲンナリします。

ヘッドライトを装着して再び天覚山に登りドロップバックが待つ第六エイドへ。個人的にはこの区間が一番キツかった。

飯能と思われる夜景が見えてきてもうすぐエイドかと思うと車道に出ます。
歩道を走りながらやっとエイドだ、と思っていると反対側にランナーの姿。
一旦車道を数百メートル下って横断歩道を信号で渡り、また登ってトレイルに戻るレイアウト。
そしてそこから多峯主山に登って降りないとエイドに着きません。

これで完全にノックアウト。疲労困憊で家内と友人が待つ第六エイドに到着。

家内にフラスコの補充や暖かい飲み物食べ物を持ってきてもらい一息。

もう相当足にきています。膝も痛く下りで思ったように走れません。
エイドに着いたのはスタートして14時間くらいでしたが、残り47キロ。
とても同じ時間で走りきる気がしなく、家内にはゴールは29〜30時間になると宣言して日曜にクルマを運転して帰るのは難しいから秩父周辺に宿を取るよう頼みました。
あらかじめトレイルを100キロ走ったら月曜は仕事にならないと思いお休みだけは取っていました。

一息ついたところでちょうど聖整体院さんがサポートをしてくれていたのでお願いすることに。

腰から大腿四頭筋、腸脛靱帯、ふくらはぎなどをマッサージしていただきました。

先生が「呼吸が浅いね。深呼吸して」というので何回か深呼吸。・・・下半身まで酸素が行き渡っていないようです。

「少し寝ていった方がいいよ」という先生の助言に従って仮眠することに。
あまり眠くはありませんでしたが、マットの上でブランケットを羽織るとあっという間に熟睡。

・・・・・・・・・・。

1時間程でパチッと目が覚め、起きてくると先生が「全然、顔色が違うよ」とのこと。

ここで寝ておいたのが結果としては凄くよかった。
腕時計型GPSをエイドに着いたときにドロップバッグから出した充電器にさしておいたら電池が40%を切っていたものがフル充電されていました。・・・自分もフル充電された気がします。

結局1時間半以上滞在したエイドを後にサポートしてくれた家内と友人に別れを告げて出発。

ここからはほとんど第1回のFTR50で走ったコース。宮沢湖周辺はムーミン村になってしまったので今回は巾着田をグルッと周回。
後半のコースは前半に比べると楽ではありませんが、マイルドになります。

第七エイドまでは12キロありますが、ロードも多くそれ程厳しいパートではなかった。
問題は第七エイドから第八エイドまでの15キロ。ここが最後の難関です。

登る、登る、登る。下ってまた登る。
最後の九十九折りの登りが最高にキツい。
真っ暗な中で前を見るとはるか上方にヘッドランプがチラチラ見えゲンナリします。
あんなとこまで登るのかよぉ〜、とトレイルではお馴染みの愚痴が出ます。

やっとの事で第八エイド。もう第三エイドくらいからずっと数分間は座って休憩するようになっています。ここは仮眠室も満杯。空いていた飯能中央公園エイドで寝ておいてよかった。テーピングサポートのニューハレさんもパイプ椅子二つで仮眠されていました。お疲れ様です。

中盤からエイドではずっと温かいものをいただいていました。味噌汁や雑炊。けんちん汁は汁だけ。白湯も結構飲みました。それでもお腹が張って途中2〜3回はトイレに行くことに。
果物はバナナはほとんど食べず、1回だけA3で出ていたミカンをいただきました。オレンジは胸焼けしますが不思議とミカンは大丈夫。食べ慣れているからでしょうか。また途中のエイドでリュックからネットに入ったミカンを取り出して食べているランナーがいて「あっ、ミカンだ!」と言ったら「ひとつどうぞ」といただいてしまいました。・・・ありがとうございます。

仮眠した第六エイドから後半のエイドでは滞在時間が5〜10分程になりました。ちょっと休憩、補給したら出発する感じです。沢山飲み食いした後はエイドを出てしばらく歩く事にしました。

コースのマーキングはまずまず。分岐には必ず矢印表示があり、その後すぐにテープが巻かれています。
途中もう少しテープがあれば安心出来るのに、というところはありました。
一箇所だけ第八エイドを出てすぐの登りだったか、まっすぐの直登でなぜか矢印が木の幹に左向きに付いていて、その通りに行くと倒木もあるとんでもないトラバースに。先行者も戻ってきて二人で矢印まで戻りました。まっすぐ先を見ると表示のライトがチカチカみえます。テープもヒラヒラと見えます。
結局、後からきたランナー合わせて4〜5人で相談してその表示を幹の後ろ側にひっくり返して見えないようにしました。そのまま直登するとコースは合っていたので後からくるランナーのためにもよかったと思います。

最終第九エイドまではスポーツエイドジャパンの大会などでも走ったことのあるルート。舗装路に出たり、トレイルに戻ったりの繰り返し。難所の両側が切り立った岩場を一番疲れている時間のそれも真夜中の通過でしたが、過去何度も通ったとこがあるのでプレッシャーはありませんでした。

丸山を登り切って下ると最終エイド。舗装路を降りていくと先行したランナーが登ってきます。ここもエイドに一旦降りて登り返すレイアウト。ゲンナリしますが仕方が無い。

最終エイドで少し休憩して補給を済ませいよいよゴールまで。

少し登り返した後は延々と下り。

今年のレイアウト。第1回の時やスポーツエイドジャパンのコースとは若干異なり、緩やかな下りが続く快適なトレイルになっていました。

また膝に軽い痛みが出てきたのでブレーキが必要になるやや急な下りはキツいですが、これなら走れる。

元気な若手ランナー2〜3人には抜かれましたが、あとは一人旅。

GPSを充電時に1回リセットしたのでトータル時間がよくわからなくなっていましたが、最後の下りの途中で明るくなってきたので6時を回った事はわかりました。

以前は確か金昌寺の墓地を通ったコースだったのが、お寺の脇を通るコースに変わったようです。
途中、このコースの後半のコースレイアウトをして今回出走している方とお話しましたが、特にこの最後のレイアウトは素晴らしかった。まさにFunTrails!

秩父市街に出てボランティアの方から「あと5.5キロです」の声。
ここに来てロード5.5キロはツラいですが、とにかくゆっくりでも走る事に。

歩いている先行者に「やっと帰ってきましたね〜」と声がけしながらのラン。

振り向くと声がけした人が走り始めていたりしてこちらも走り続けないといけない気持ちに・・・。

最後の最後、羊山公園の登りで少し歩いてしまいましたが、やっぱり振り向くと先ほど声がけして抜いた人が走り始めていたのでこりゃいかんとばかり走り出しました。

結局、ゆっくりですがほとんどを走る事が出来てゴール。

時間は7時半近く。29〜30時間位掛かると言っていたので家内もゴールにはいません。

とりあえず荷物を受け取って上半身だけ着替えて聖整体院のブースへ。「先生のおかげで完走出来ました」とお礼を言って、ついでにケアの施術をしていただきました。

ドロップバッグを受け取ってちょうど駐車場行きのバスが来たので乗車。出発まで20分ほど待ちましたがウトウトしていたらあっという間。

その後、クルマに戻り駐車場を出て国道沿いのすき家へ行って牛肉2倍のすきやき膳を注文。
お腹を一杯にして家内に連絡すると秩父到着は2時過ぎになるということ。

宿も取ってしまったし、どうやって時間を潰すか考えて秩父駅前に出来た温浴施設に行くことに。
10時のオープンと同時に入ってジェットバス、水風呂、炭酸泉、寝湯(本当に寝てしまった)などをはしご。

リラクゼーションルームで長椅子でゴロゴロウトウトしたのち、家内と落ち合って奥秩父の旅館へ。

・・・のんびりして翌朝戻ってきました。



FunTrails100k&50K。

去年本当に悲しい事故がありましたが、多くの方々の尽力により今年無事に開催され、自分も完走出来ました。

100キロで33時間という「寛大な」制限時間。
ITRAのポイントまでおまけでついてくる上に秩父という観光地としてポテンシャルの高い場所がスタート・ゴール。

秩父市の後援や協力はこの先も得られないかもしれませんが、観光協会さんやその他多くの応援を得て今後も続いていって欲しい大会だと思います。


奥宮さん、やったね!



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by run-lenotre | 2018-11-19 15:44 | トレイルレース | Comments(0)