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イベント「無補給登山の可能性」

海外登山技術研究会(主催:日本山岳・スポーツクライミング協会)の二日間のイベントのうち、二日目の「無補給登山の可能性」を拝聴してきました。

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講師はTJAR4連覇ののち、昨年は「無補給」で5度目の完走を果たした望月将悟選手。
無補給というチャレンジに至った経緯などは既に様々なメディアでも取り上げられていますが、トレイルランニング愛好者や望月さんのファンが少なく、山岳会のお歴々の前でどんなお話をされるか興味がありました。

パワーポイントを使用した大会の説明などはTJARに詳しくない人にも丁寧であらためて昨年自分も見に行った時の様子が鮮明に思い出されました。

テーマは無補給。
通常であれば5〜8キロの背負う荷物が食料分を入れて13キロ(水分なし)になった事にはあらためて驚かされました。
フリーズドライやインスタント食品、ジェルなど最新の軽量化された食物群でも6日分(一日3000カロリー、制限時間は8日間ですが、6日で計算されていたということです)で5キロ以上の重さになるわけです。

印象的だったのは次に登壇された森山憲一氏の話の中で、TJARの創始者である岩瀬幹生氏はもともとご自身はノーサポート、ノーデポジットという無補給での踏破を考えていたという事。
森山氏はだから望月選手のチャレンジはTJARの原点にかえった事になる、というお話。
それは望月選手もご存じなかったようです。

確かに昨今のTJARは山小屋での補給を当てにして山小屋の営業時間に間に合わなかったりすると、選手はガックリ、なんていう事が本や映像によく出てきます。

山小屋には泊まってはいけないのだから本来は雨風がしのげて明るく温かい山小屋の食堂でカレーライスやカツ丼などの料理を食べているのはちょっと違和感がありました。

望月選手のお話の中で年配の登山者とお話ししていると昔は山小屋などほとんど無く、山に入るときは食料からすべて自分でもっていったということ。その「登山の原点」を試して見たかったというようなお話もされていました。


それはそうと質問時間に前日の講師を務めた先鋭のクライマーの方々(また、皆さん若くてカッコイイ)が、トレーニング方法や食事、故障についてなど次々と真剣に質問されていたが印象的でした。


かなりマニアックなイベントでしたが、ためになる半日でした。



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by run-lenotre | 2019-06-23 15:45 | イベント